本社4階の大会議室では、二〇一三年三月二十九日まで、毎月最後の金曜日に、社内連句会を開いておりました。最後の会の歌仙(三十六句)は、十八句目で止まり、懐紙は、そのまま会議室の壁に貼ってございました。

このたび、残りの十八句を、皆様とご一緒に巻かせていただきます。11月3日より、弊社の音声資料の公開にあわせて、席を一つか二つずつお開けし、寄せられた付句の中から、弊社が捌きとして一句を選び、懐紙に書き入れてまいります。結びの一句は、ある方々にお願いしてございます。

大会議室の床の間には、天神さまの御名の掛軸が、壁には、社是「座を同じうする」の額が、今も掛かっております。

名残の折の席は、11月3日よりお開けいたします。

資料ユ第6904号

歌仙『遅き日』の巻

平成二十五年三月二十九日 於本社四階大会議室 大阪支社と文音

社内連句会 第三〇六回 歌仙『遅き日』の巻

捌 待庵  執筆 池田

遅き日の 窓を開くれば 池の音森羅

芽ぐむ楓に 水をやる人待庵

囀りを 拍で数へて 書き留めて秋声

宛名の字だけ まだ見慣れずに南風

月今宵 ファクスの紙の まだ温く西帆(大阪)

新米を炊く 湯気のむこうに下萌

初折裏

秋の暮 訳語をひとつ 保留して待庵

名を呼ぶ声の 雨にまぎれて南風

待ち合はせ 時計の針の 遅れがち秋声

渡せずにゐる 小さき包み森羅

新しき 社名の札を 掛け替へて下萌

大阪よりの 二枚目届く西帆(大阪)

寒月や 守衛の帽子 会釈して待庵

息白くして 数ふる拍子秋声

島言葉 ひとつ教へて 笑ひけり南風

誰の忘れし 傘の一本下萌

散る花を 皆で見送る 窓の下森羅

春の宵には 続きを約す西帆(大阪)

名残表

名残裏

  • 第十九句 名残表一句目 11月3日より
  • 第二十句 名残表二句目 11月3日より
  • 第二十一句 名残表三句目 11月6日より
  • 第二十二句 名残表四句目 11月6日より
  • 第二十三句 名残表五句目 11月10日より
  • 第二十四句 名残表六句目 11月10日より
  • 第二十五句 名残表七句目 11月13日より
  • 第二十六句 名残表八句目 11月13日より
  • 第二十七句 名残表九句目 11月17日より
  • 第二十八句 名残表十句目 11月17日より
  • 第二十九句 月の座 11月20日より
  • 第三十句 恋の座 11月20日より
  • 第三十一句 名残裏一句目 11月24日より
  • 第三十二句 名残裏二句目 11月24日より
  • 第三十三句 名残裏三句目 11月27日より
  • 第三十四句 名残裏四句目 11月27日より
  • 第三十五句 花の座 12月1日より
  • 第三十六句 挙句 12月4日より
二〇一三年三月二十九日の懐紙(初折)。上半分が表、下半分が裏で、裏は逆さまに写っております。
二〇一三年三月二十九日の懐紙、初折(表と裏)。懐紙は折って表と裏に書くため、広げると、裏の句は逆さまになります。四隅は、十三年間の画鋲の跡でございます。
名残の折。白紙のまま、壁に貼ってございました。
名残の折。白紙のまま、壁に貼ってございました。
最後の会の会場設営図。床の間、文台、捌と執筆の席、社是の額の位置が、総務部の手で書かれております。
最後の会の会場設営図(総務部)。

※連句の巻き方は、連句会のご案内をご覧ください。

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