2013年3月15日

音と意味の分離に関する基礎研究(中間報告)

久住 千秋、金城 ゆい(言語研究所)

要旨

本研究は、発話から語彙的意味を取り除いたとき、聞き手がなお何を受け取るのかを問うものである。

日本語を母語とする成人48名に、語彙的意味の有無と程度を操作した12件の音声資料を提示し、各資料について「意味らしさ」と「響き」をそれぞれ7段階で評定させた。

その結果、辞書的意味を持たない音連続であっても、日本語のモーラのリズムと韻律に従う場合には、聞き手がそこに感情的な意味を付与する傾向が認められた。一方、「響き」の評定は、語彙的意味の有無に依存しなかった。

意味が失われたとき、響きは残る。

本報告は中間報告である。最終報告は2013年度中に公開する予定である。

音声資料一覧

資料内容音声
1 気象情報の読み上げ(沖縄地方) shiryo01.wav
2 和歌の朗詠に脚韻を付加したもの shiryo02.wav
3 無意味語の反復(刺激語:トゥトゥリガチ)注3 shiryo03.wav
4 蛙の鳴き声(本社中庭にて録音)注4 shiryo04.wav
5 英語から片仮名への音韻的適応 shiryo05.wav
6 商品名の連続読み上げ shiryo06.wav
7 敬語文末表現の単独提示 shiryo07.wav
8 地名の情緒的価値(北海道・沖縄) shiryo08.wav
9 国名の片仮名表記と韻律 shiryo09.wav
10 自動販売機の音声案内 shiryo10.wav
11 感謝表現(対照資料)注11 shiryo11.wav
12 笑い声 shiryo12.wav

注

  1. 刺激語には、辞書的意味を持たないことが確認されている当社の社名を用いた。
  2. 2012年6月、梅雨期の夜間に本社中庭の池にて録音した。
  3. 資料11は、音と意味が一致する対照例として用いた。

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