案件02 分類逸脱報告:和歌 → 脚韻

妖怪しか韻を踏まないOnly Yōkai Rhyme

指定感情:反骨、上機嫌、少しの誇り、そして飢え

公式解釈 第1.0版 解釈推進室 発行 feat. 韻律適合審査室

本アルバムの宣言にあたる一曲で、二者間の論争として受理いたしました。

一方は人間で、擬古文で語ります。五・七・五・七・七、花、月、風、「同じ音など 露ほども追わず」。やがて純粋主義者となり、「韻を踏むなど あさましきこと」「幼き戯れ 品なく候」と断じます。ところがその演説は、自分の足をすくって終わります。「されど誰ぞ かく定めたる?」

他方は妖怪で、「アイ」の韻を安く大きく連呼して応じます。インデマイ、インデサワイ。「ヒトニハカタチ、カタノセカイ」「ヨウカイニハイン、ヒビクセカイ」。月が曲がれば言葉も曲がる。一つの意味を二つにねじる(掛詞を、純粋主義者から取り返した格好です)。恥ずかしければ、なおさら踏め。笑われるほど、もっと響け。

本案件のため新設した韻律適合審査室が、妖怪の韻を和歌の基準に照らして全件審査いたしました。不適合100%、承認100%。同室は変更点なしと結論しております。同日公開の弊社「連句バトン」は古式に従い、句は付いて転じ、韻は踏みません。同室の管轄外でございます。

海外からは、シェイクスピア『マクベス』の魔女と、ランボー『地獄の季節』「言葉の錬金術」のうち、飢えを扱った箇所の四行が証人として呼ばれます。2013年に解散した国際事業部に書面で照会し、両名とも確認済みです。

意味回収課の回収率は76%で、これまでの最高値です。妖怪は、カタカナを着た日本語で論じております。残余(タクタクタク、パトゥパトゥ、オネグサライ)は「響き」に分類いたしました。なお気象言語課より、囃子の中に予報「フラナイ(降らない)」が含まれ、案件01と矛盾するとの報告がございました。両予報とも有効といたします。

人には形がある。妖怪には韻がある。
人には意味がある。妖怪には響きがある。
「響き」を「無意味」の欄に分類なさらないようお願いいたします。「響きが意味を連れてくる」。バンド名「お響きですね」も、同じことを申しております。

仕様

製品名妖怪しか韻を踏まない
型番TLS-OYR-02
分類逸脱和歌 → 脚韻
構成二者間の論争(人間:擬古文/妖怪:カタカナの囃子)、海外からの証人二名(英語、フランス語)
使用言語擬古文、現代日本語、妖怪語、英語、フランス語
韻律審査不適合100%、承認100%(韻律適合審査室)
意味回収率76%(102/135拍。残余は「響き」に分類)
指定感情反骨、上機嫌、少しの誇り、そして飢え
非推奨の解釈純粋主義者が勝つという解釈
保証公式解釈の範囲内に限ります
関連資料言語研究所 中間報告(2013年)音声資料2「和歌の朗詠に脚韻を付加したもの」
推奨聴取環境声に出して。純粋主義者に聞こえる場所で。
推奨用途不採用通知の届いた日に。笑われた翌日に。
関連ツール韻検索(同じ響きの言葉を、日本語と英語でお探しします)
所蔵資料「連句のあゆみ」(社内連句会 第三〇〇回 配布資料、2012年9月28日、総務部保管)

ご使用上の注意

  • 本製品の韻を、和歌の添削にご使用にならないでください。
  • 韻を踏んだ結果、周囲の方に笑われた場合は、さらに踏むことを推奨いたします。これは仕様です。

既知の不具合

  • 韻律適合審査室の印は、社長室の印に向かって傾けて押されております(お辞儀ハンコ)。慣例に従ったもので、不具合ではございません。
  • 「ラク」を「楽」と聞かれたとのご報告をいただいております。回収済みです。

妖怪語語彙台帳(抜粋)

No.語形初出意味備考
Y-006タクタクタク案件02未登録
Y-007パトゥパトゥパトゥパトゥ案件02未登録
Y-008ラクイオー案件02未登録「ラク」(楽)を回収済み
Y-009オネグサライ案件02未登録
Y-010イオー案件02未登録

登録10語(累計)、登録済みの意味0件。(言語研究所 ※2013年より活動休止中)

参照

案件01、04、06

決裁

解釈推進室
韻律適合審査室 お辞儀
国際事業部(書面) 書面
品質管理部
法務部
社長室

押印 6/6

改訂履歴

第1.0版2026.10.28初版発行

視聴

音声資料2(電話版、カセット版)

付句

「わらわばわらえ よながにうたえ」 蛙一同

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